
どーもこんにちは。
漫画家・イラストレーターの青柳恵太です。
今回の記事では、2019年12月8日発行の京都新聞「ジュニアタイムズ」にて掲載された『三井寺の鐘』について作画秘話をご紹介します。
まだ、「マンガ『京・妖怪絵巻』の舞台裏」の記事をご覧いただいていない方は、
そちらの記事から先にご覧いただくことをおススメします。
「三井寺の鐘」ってどんな妖怪?
三井寺の鐘は、前回ご紹介した「俵藤太物語」にある百足退治伝説で俵藤太が褒美としてもらった鐘を三井寺に奉納したものと言われております。
ある時、比叡山の荒法師・武蔵坊弁慶が三井寺に攻め込んできた際に戦利品として奪った「三井寺の鐘」。
弁慶はこの鐘を担いで比叡山を登るのですが、その際に「イノー(関西弁の「帰りたい」)」と声が聞こえてきました。
それが鐘の声だということに気づいた弁慶は、比叡山に持ち帰るのを諦め、山の上から鐘を放り投げ三井寺に返したというのが今回の「三井寺の鐘」の物語です。
(詳しくは、新聞紙面に掲載されているマンガをご覧ください。)
三井寺に変事があると汗をかき鳴らないが良いことがあると自然に鳴るといわれていて、
現在は、『弁慶の引き摺り鐘』の名前で国の重要文化財として三井寺の霊鐘堂に奉安されています。
「三井寺の鐘」の制作秘話

この物語は、二部作の後編ということで、前作の「大百足」と併せてシナリオをいただいたのですが、シナリオ見ていろいろビックリしました。

まさか、あの武蔵坊弁慶を描くときが来るとはという第一の衝撃。
そして三井寺から比叡山延暦寺まで鐘を引きずって持ち帰ろうとした弁慶の行動に二度目の衝撃。
イノーと鳴いた三井寺の鐘を妖怪としているのか、弁慶の馬鹿力を妖怪としているのかわかりませんね(笑)

弁慶の逸話は、いろいろありますがどれもこれも妖怪じみていてホントおもしろいです。
ちなみに弁慶の白い被り物はお坊さんの五條袈裟という服を頭に被ったもので裹頭(かとう)という名称があり、弁慶のような服装の僧を「僧兵」というそうです。
この『マンガ 京・妖怪絵巻』を通じてまたひとつ賢くなりました。
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