
どーもこんにちは。
漫画家・イラストレーターの青柳恵太です。
今回の記事では、2019年10月13日発行の
京都新聞「ジュニアタイムズ」にて 掲載された
『神泉苑の龍(しんせんえんのりゅう)』について
作画秘話をご紹介します。
まだ、「マンガ『京・妖怪絵巻』の舞台裏」の記事を
ご覧いただいていない方は、そちらの記事から先に
ご覧いただくことをオススメします。
目次
「神泉苑の龍(しんせんえんのりゅう)」はどんな妖怪?
「神泉苑」は、京都市中京区、二条城の南側に位置する東寺真言宗の寺院です。
ここには「恵方社」という毎年大晦日に恵方に祠の向きを変える日本で唯一の回転する社もあります。
また、ここは「善女龍王」と呼ばれる龍神様が住むパワースポットとしても有名ですね。

安土桃山時代 七尾美術館蔵
(Wikipedia 善女龍王 より引用)
今回の『神泉苑の龍』という物語は、
その「善女龍王」という龍神様が神泉苑に住まうきっかけとなった物語で、
淳和天皇の時代(西暦824年頃)に日照りが続く京都に雨を降らせるようにと
西寺の僧、守敏と東寺の僧、空海が行った雨乞い対決の様子を描いた物語になっています。

つまり、「神泉苑の龍」とは「善女龍王」のことであり、龍の神様なので
今回は「妖怪」と表現するのは少し違うのかもしれません。
どちらかというと守敏の行った行動のほうが妖怪っぽいですが……(笑)

この辺は新聞に掲載された紙面で
詳しくご覧いただければと思います。
「神泉苑の龍(しんせんえんのりゅう)」の制作秘話

この作品は、このシリーズで私自身初の2週連続掲載の前半の物語として描かせていただきました。
二話に渡って空海と守敏の戦いを描かせていただきました。
二週連続もビックリだったんですが、
シナリオ読んで登場人物の名前見たら
まさかの登場人物に空海ですよ。
空海を知らない人はさすがにいないと思いますが、真言宗の弘法大師ですよ。
高野山奥の院御廟と呼ばれる場所で今なお座禅を続けているとされる空海ですよ?
偉大というのも恐れ多い人物を
このような形で描くことになって
本当にびっくりしました。

また、この「神泉苑の龍」の原稿あたりからこれまでの技術を応用した作画ができるようになり始めました。
一例を紹介しますとこの守敏の雨乞いのシーン。
ラフはおいとくとして完成原稿では、
第一話の輪入道で得たの技術を使い
燃え上がる炎を描くことができました。
こうやって作品を積み重ねることで
自身のスキルアップが実感できるのも
この作品に携われたおかげですね。
“弘法も筆の誤り”の本来の意味は違う⁉︎
ちなみに“弘法も筆の誤り”の弘法は
この弘法大師空海のことなんですよ。
文字に点をひとつつけ忘れ、書の達人でもミスはするっていう意味でこの言葉が使われてますが、調べてみると、この話には続きがありました。
弘法大師は書き損じた額に筆を投げつけて足りなかった点を描いたそうで、本来は“弘法のような書の名人は直し方も常人とは違う”という賞賛の意味もあったのだそうです。
【引用】http://gogen-allguide.com/ko/kouboufude.html
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