『マンガ京・妖怪絵巻作画秘話』第16話_『衣蛸(ころもだこ)』(2019年8月18日掲載)

『マンガ京・妖怪絵巻作画秘話』第16話_『衣蛸(ころもだこ)』(2019年8月18日掲載)

青柳恵太
青柳恵太

どーもこんにちは。
漫画家・イラストレーターの青柳恵太です。

今回の記事では、2019年8月18日発行京都新聞「ジュニアタイムズ」にて 掲載された『衣蛸(ころもだこ)』について作画秘話をご紹介します。

まだ、「マンガ『京・妖怪絵巻』の舞台裏」の記事をご覧いただいていない方は、 そちらの記事から先にご覧いただくことをおススメします。

京都新聞『マンガ 京・妖怪絵巻』の紹介 【制作の舞台裏】
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「衣蛸(ころもだこ)」ってどんな妖怪?

衣蛸は、名前の通り、タコの妖怪です。

普段は貝殻の中に入ってプカプカと海の上に浮かんでいるのですが、
ひとたび捕まえようとすると6畳ほどの大きさになって襲ってくる
という京都与謝郡周辺に伝わる海の妖怪です。

カイダコやムラサキダコという実在する蛸がモデルという説もあります。

詳しい物語は新聞に掲載されているマンガを手に取って読んでいただきたいので、 ここでは「衣蛸(ころもだこ)」という妖怪の簡単な説明にとどめておきたいと思います。

「衣蛸(ころもだこ)」の制作秘話

タコは私の地元でもある兵庫県明石市の名産で、
実家が漁師ということもあってとても馴染みのある生き物です。

また、何度も地元のイラストを描くときにタコを描いていたので、
これはチャンスだと思ってここぞとばかりにタコの表現にこだわりました(笑)

まず、タコ感(?)を表現するのに
コマ枠にタコの足が絡む表現は面白いんじゃないかなと思って
ラフの段階から決めて描いていました。


あとはタコのヌメヌメ感を出すために何層もレイヤーを重ねて、
いろんな色テクスチャを混ぜてヌメヌメ感を表現しました。

あとは今回、波や水しぶきの表現にもこだわっていて、
浮世絵とかの波の表現を参考にしながらブラシを作成し、
リアルなタコ浮世絵チックな波を重ねて表現しました。


このブログでは、一部をトリミングして加工したものを掲載していますが、
衣蛸に関しては、個人的に一枚の絵としても完成した形に仕上がったので、
ぜひ新聞に載った全面を一つの作品として読んでいただきたいです。

おまけ/タコの心臓と脳みその数を聞いてびっくり!!

タコつながりでの豆知識をご紹介したいと思います。

ブログをご覧のみなさんはタコの足の本数は8本だと
幼いころに教わって知っていると思いますが、
タコ一匹の心臓の数と脳みその数を知っていますか?

実はタコには心臓が3個、脳みそが9個あるんです。
本物のタコも妖怪に引けを取らないくらい恐ろしいですね。

https://twitter.com/nynicg2/status/1220971221426130944?s=21

脳みそに関しては頭に1個小さい脳が各足に1つずつなので、
それぞれの足が絡まらずに独立して動くことができるんです。

ちなみにタコの足の一本は生殖器だという
どこかで聞いたことある方もいると思いますが、
あれは微妙に間違いで、厳密には生殖器ではありません

交接腕(こうせつわん)といって
オスが精包を受け渡すために特殊化した腕なので
食べても別に問題ありません。

どうしても嫌な方は、交接腕は他の足と違って
先っぽに吸盤がついてないのでそこで見分けましょう(笑)

それかオスとメスで吸盤のつき方が違うので、
大きさが様々な吸盤が雑然と並んでいるのがオス
大きさの同じ吸盤が2列になって整然と並んでいるのがメス
という風に覚えておくとメスには交接腕がないので
例え、ぶつ切りになっていても後者を買うことで
交接腕を食べることは避けることができるでしょう(笑)


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