
どーもこんにちは。
漫画家・イラストレーターの青柳恵太です。
今回の記事では、2019年5月5日発行の京都新聞「ジュニアタイムズ」創刊号にて
掲載された『輪入道(わにゅうどう)』について作画秘話をご紹介します。
まだ、「マンガ『京・妖怪絵巻』の舞台裏」の記事をご覧いただいていない方は、
そちらの記事から先にご覧いただくことをおススメします。
「輪入道」という妖怪はどんな妖怪なのか?

記念すべき第1話では、『輪入道』という妖怪の物語を執筆しました。
片輪車の中央に入道(坊主頭の化け物)の顔がついている妖怪です。
水木しげる先生のマンガにもよく登場する妖怪として有名ですね。
でも、実際どんな妖怪かって聞かれるとなかなか謎の多い妖怪ですよね。
物語は新聞に掲載されているマンガを手に取って読んでいただきたいので、
ここでは「輪入道」という妖怪の簡単な説明にとどめておきたいと思いますが、
「輪入道」は、江戸時代に京都の東洞院通に現れたとされる妖怪で
その姿を見たものは魂を抜かれるといわれています。
「此所勝母里」と書かれたお札を呪符として家の戸に貼っておくと
輪入道は、その家に近づくことができないとされているそうです。

「輪入道」の制作秘話
この作品は、『マンガ京・妖怪絵巻』の第1話目ということで正直かなり緊張していました。
他にどんな漫画家さんが担当されているのか分からない状態で、本当にいいのかなと思う反面、
トップバッターを任されたからには、他の方に負けないように頑張ろうという気持ちにもなりました。
とりあえず、妖怪を描いたことがなかったので、妖怪に関する資料を買い漁り、
妖怪の勉強から始めたのですが、そういう資料を読む時間が夜中しかないので
夜にトイレ行くのは怖いし、夢に出てくるしでなかなか大変でした(泣)
ちなみに水木しげる先生の妖怪図鑑が一番、勉強になりましたので興味ある方はぜひ読んでみてください。
ただし、夜中に見るのはオススメしません(笑)

妖怪ビジュアル大図鑑 (講談社ポケット百科シリーズ)
実はこの「輪入道」という妖怪は、連載が始まる前の企画書でも描いたのですが、
その際に提出させていただいたイメージはこんな感じでした。

企画書の段階からすでに容姿のデザインは決まっていましたが、
そこに完成原稿版ではデジタル作画ならではの作画方法として
炎が描ける特殊ブラシやいろいろなテクスチャを合成しながら、
燃え盛る輪入道のおどろおどろしい姿を表現しています。


輪入道の肌質を出すためにみかんの皮をテクスチャにして合成しています。
(みかんの皮をテクスチャにするのは以前にTwitterで見た技法です)
もし、デジタル作画に興味のある方がいましたら、
『我流作画戯法』という記事も執筆していますので併せてご覧ください。
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